綺羅星のはてなブログ

ブロマガより怪文書寄り

9-nine- 感想

このブログには「9-nine-」シリーズにおけるネタバレが多分に含まれています

 

4月に完全版が発売され、色々なところで話題になっていた「9-nine-」。当初はやる予定はなかったのだが、お友達が続々とプレイし始めたことにより、この波に乗らねばと思い、プレイを始め読了したので感想をつらつらと書いていこうとなりました。

 

全年齢の完全版が出ているにも関わらず、18禁の分割版を買ってしまうのはエッチゲーマーの性、完全版にしか入っていないと思われていた新章も個別でダウンロードが出来ることが判明した為に「もう分割版でいいや」となり、一作目「9-nine- ここのつここのかここのいろ」から購入。以下、ルートの感想とキャラの感想を書いていきたいと思います。

 

 

・一章「ここのつここのかここのいろ」

第一章でありメインヒロインの九條都ルート。各ヒロインの顔見せと、世界観の説明がメインとなっている雰囲気。元々自分は学園バトルものが大好きであるため、かなり期待をしていたが、戦闘シーンは少なめで、選択肢もないまま進むので「思いのほか盛り上がらんなぁ」となっていたが、一周目の最後に「最初からやり直す」の選択肢が現れ「んん?」となる。主人公のアーティファクトが不明である状態からこの選択肢は、「能力が時間操作系なんじゃないかなぁ」と思わせるのに充分な要素だ。同じプレイヤーの方々もそう思った人が多いのではなかろうか。

 

その選択肢に従い、最初からやり直すと今度は至る所に一周目にはなかった選択肢が挟まる。その選択肢で都寄りの方を選ぶことでちゃんとしたルートに入り、二人は恋人同士になる。といった感じなのだがこの後も淡白。恋人のイチャイチャ以外は戦闘シーンもなく、

 

・エッチシーン

最初は普通のエッチシーンだなぁと思ってたのに突然中出しした後に都の能力で精液を奪うことで中出しを無効にするというファインプレーを見せ爆笑。まさかエッチシーンに能力を使うなんて思わなかった。その後もエッチシーンの度に能力を発動し、エンディング後のエッチシーンの後にスティグマが広がっていることに初めて気付く都。「お前がめちゃくちゃにエッチして能力使いまくるからそうなるんじゃい!」と心の中で突っ込んだ。ちなみに、全年齢版ではキッチンの下の手が届かない場所にスプーンが落ちて、それを回収するために能力を使う。どちらにせよ能力濫用しすぎである。

 

・エンディング

目の周りにスティグマが広がる謎の女がビルの屋上から街を見下ろしエンド。「to be continued」の文字が。ここで「あぁ、この物語は本当に導入なんだなぁ」と感じた。

 

全体的に盛り上がりに欠ける状態で終わった一章ここいろ。まぁスタートだしこんなものかと思いながら次へ。

 

 

・二章「そらいろそらうたそらのおと」

一章の続編として発売された新海天のルート。

ここに来てようやく敵対組織リグ・ヴェーダが登場。それに対抗して希亜も主人公達を巻き込みヴァルハラ・ソサイエティというチームを結成する。作中じゃめちゃくちゃ馬鹿にされてたけどどっちもめちゃくちゃカッコいいと思う。

そんな中、翔はある日の夜リグ・ヴェーダの一人ゴーストに襲われる。魔眼により全身が石になるかと思われた瞬間、天が登場。ゴーストに能力を使い存在を消滅させる。その時天の全身にスティグマが広がっており、ソフィも天のことを心配していた。

天に対する心配が募る中、主人公の母親との会話で「昨日彼女来てたわよ」と言われる。ここでエッチゲーム慣れした俺は気付いてしまった。この彼女が天なことに……予想通り母親は天のことを忘れていて、学校の友達も天のことを忘れていた。

 

ここで二択、エッチゲーム恒例の「受け入れる」「受け入れない」!

この選択肢は三章で春風の能力に関する部分で来ると思っていたので完全に予想外。まぁ大体こういうのは受け入れるとバッドエンド直行なんすよね、と思いつつ、ソフィの言葉である「僅かな言動で天の心は傷つく状態にある」という言葉を思い出してしまってどっちを選んだらいいか1分ぐらい悩み、結果経験に基づき先バッドが見たかったので「受け入れる」を選択。翔は天のことを彼女として受け入れエッチシーンへ。普段のウザキャラはどこに行ったのかめちゃくちゃ素直で可愛いキャラが登場する。喘ぎ声も上手いし本当に天の声優さんは天才だと思った。そして一夜を過ごすと天は消失し、翔は天のことを忘却する。その後翔の慟哭と共に選択肢「やり直す」

ここで確信する。翔の能力は時間に関わる能力であると。やっぱりこういうゲームの主人公はチート能力持っててなんぼなんすよね〜と思いながらも今度は「受け入れない」を選択。天を叱咤すると同時にお互いに強くあろうとする二人、そんな中アーティファクトとの契約を解除する薬であるアンブロシアが完成し、天に注射する。天は眠りにつき、代わりにゴーストが目覚める。

ゴーストとの対決は本ゲーム初めての本格的な戦闘シーンであり、ゴーストの一枚絵なんかでギルガメッシュみを感じたりもしつつ、春風の手助けも入りゴーストを撃破。その後翔はゴーストを殺してしまった自責の念に苛まれるが、天の手助けにより心を取り戻す。

 

・エッチシーン

最高に面白いショー。普段の翔と天の漫才をしながら脱ぐ二人、このままじゃヤれないならと紙袋を被って登場する天、バッドエンドセックスの妖艶な喘ぎ声はいったいどこに行ってしまったのかと突っ込みたくなる中国拳法みたいな喘ぎ声、どこを取っても面白く、終始コントのような雰囲気で終わり「今のは何?」となるエッチシーンは伝説もの、全年齢プレイヤーも一回はやってみて欲しい。

まぁ、その翌日もふっつーーーにセックスを始める二人なんですが。猿かよ。そして都のような能力もないのに中出ししまくる二人、流石に実の兄弟でそれはマズくない?などと考えたりした。

 

・エンディング

一章でゴーストが登場した時と同じように、今度はビルの屋上で与一とソフィの会話で締めとなる。正直与一が黒幕的な立ち位置に居たのは想定外で、全く戦闘には関わらないと思っていた。そして、このソフィもおそらく普段のソフィと同一人物ではなく、闇ソフィとかそういう別側面的なキャラクターだと感じた。そもそもソフィが主人公達を裏切っている展開というのは少し浅いと思ったからだ。結局その予想は当たらずとも遠からずといった感じになったがそれは後程。

 

 

・三章「はるいろはるこいはるのかぜ」

与一黒幕が判明したところからの三章。リグ・ヴェーダ潜入任務が天の代わりに翔が行うことで前章と分岐する。その後翔はリグ・ヴェーダに潜入するのだがここでゴーストの顔を見て「与一」と即答。翔が前枝の記憶を受け継いでいるのは判明していたがこの部分は翔が知ってるはずないのになぁと思いながら続ける。

その後、春風の能力が魅了や支配ではなく願いを現実にする能力であると判明しビックリ仰天。一章の時からチャーム系の能力を想定しどんな話が展開されるのかを考えていたためここで全部ジャージャーされてしまったからだ。

その後、春風の能力に対する言及は対与一の為に鍛える以外あまりなく進んでいく。その途中でイーリスの初登場などもあり、イーリスとソフィどちらを信用するかみたいな話が出たが、十中八九イーリスが怪しいだろうなぁと思っていた。予感は的中し、与一達はイーリスに殺され、翔以外のみんなもイーリスに殺されたところでいつもの「やり直す」選択肢。

そしてイーリスとの戦闘シーン。前章のゴーストとの戦闘シーンより熱く、ほぼ全キャラの総力戦となった。覚醒した春風の能力によりイーリスの全てを無効化し都の能力でフィニッシュ。イーリスは他の枝での再戦を仄かし消えていった。

ここでの春風の覚醒は非常に熱く、みんなを助けるために女王様の人格ではなく、本来の人格でイーリスに立ち向かうことを決めた覚悟は春風の魅力の一つ。

 

・エッチシーン

この章、エッチシーンが異様に多い。お姉さんキャラはエッチだから多いのかはてさてといった感じだが、また中出しし能力で孕まない可能性を引き当てるから中出ししても大丈夫とか言い出した時には、「このゲーム中出し能力回避ゲームだったか?」となった。その後は目隠しプレイとかし始め完全にシコルスキーVSガイア。笑いながらもエッチシーン終了。ちなみに全年齢版でもついに隠しきれなくなり、「楽しみましたよ、二人で」という翔の独白が存在する。他のルートでも入れれば良かったのに。

 

・エンディング

謎の空間にて正体不明の影が登場。声はソフィそのもの。

ここで初めてプレイヤーは新海翔ではなく、別世界上に存在する翔の同一存在であると明かされる。まさかプレイヤーに語りかけてくるタイプのゲームだったとは想像もしておらず、ある意味最初からメタ的作品と知っていたドキ文をプレイした時よりも衝撃を受ける。そして、プレイヤーはソフィから「ナイン」の別名を与えられ、今後のストーリーに介入していくことになる……といった引きで三章終了。

とにかくここがアツい。主人公にボイスがあるのも珍しいと思っていたが、完全にそこが伏線になっていた。沙月とイーリスが同一存在で、別世界からイーリスが沙月を操れたというのもここへの伏線だった。アイドルマスターラブプラスなんかでこんなことをやられたらキレ散らかす自信があるが、完全に一人称で見ている作品とは違い、ある程度俯瞰的に見ている作品であるが故に、ここで一気に物語への没入度が増した。「俺はナイン。お前は?」というぐらいの全能感を得ることができ、四章へのモチベーションが最高潮に達したところで四章へ。

 

 

・四章「ゆきいろゆきはなゆきのあと」

実質的な最終章。プレイヤー(ナイン)は今までの全ての記憶を翔に引き継がせ物語を最初から始める。開幕から希亜に接触し、与一の殺人を阻止し、蓮夜を味方に引き入れるなど理想的な動きを見せる。その後、希亜の心を解すことで希亜と付き合うことになる。エッチシーン二回挟んでイーリスとの決戦へ。途中ヒヤッとする場面があったがあっさりイーリスを撃破することができ、終幕。

と行くわけもなく、エンディングでウォーリーを探さないでみたいなビックリ演出が入り全部が巻き戻り決着シーンへ。与一とイーリスが出現し、イーリスがオーバーロードを開発したことが明かされる。その後与一に皆殺しにされこちらもオーバーロードを使い過去へ。

この後が辛い。ループ系に一度はある何してもみんな死んじゃう系の話。わかってても絶望してしまうのでここは本当に読んでて辛かった。

その後、壊れたかと思った翔は全てを悟り与一の元へ。完全に全てを悟っているのでプレイヤーのことも気付いています。この時の「跳べ!相棒!」は非常に熱い。今まで会話はなくとも相棒と呼ばれるだけで気持ちよくなってしまう。その後は各枝からヒロイン全員を呼び出し、強化された翔の力で与一を圧倒、そのまま与一を乗っ取ったイーリスも、沙月と見た未来を狙うことで撃破。そのまま大団円……とはいかず、この枝では全員死亡のまま。幸せな世界はそれぞれの枝へ引き継がれる。

ここでの翔の死に際(死んだのか寝てるだけなのかは不明だが)が、この翔は決して幸せになることはできないというのを強く見せつけてきて、見ているのが辛くなった。

 

・エッチシーン

声が!!!!デカい!!!!!!

 

・エンディング

全て終わったかに思われたがソフィ曰くまだ最初の枝でやり残したことがあるとのこと。その枝剪定しちゃえばいいじゃんと思いつつも最終章である新章へ。

 

・新章

本当の最終章+おまけ。最後に蘇った与一との会話のドッジボールをするわけだが与一的には反省というより後悔している模様で、死にたがっていたらしい。けれど死ぬことを都は許さず、結局全アーティファクトをソフィに返上し消えた。

あとは各ヒロインとのイチャイチャだが、この章のメインは与一と蓮夜の掘り下げで、後は本当のおまけだったと感じた。エッチシーンは全年齢なのでない。

もう少し与一の掘り下げが欲しいと感じたが、もうこれ以上掘り下げられないのか、あるいは今後掘り下げがあるのか、期待することにします。

 

・エンディング

とある枝の翔が、全てが起こった日に帰り、世界の眼を飲み込み、事件が起こる前に世界を閉じる、という形でエンド。この時翔はプレイヤーにナインではない本当の名前を聞いてくるが、その時みなさんはなんて入力しましたか?(コメントで教えてくれると嬉しいです)(僕は本名)

結局二つの世界(ソフィとイーリスの世界も合わせると四つ)は閉じられたが、オーバーロード で他の枝は剪定されてないので、実質この枝でしか扉は閉じられておらず、他の枝には行けるのでは?と思ったりした。ソフィからの手紙も届いたことだしまだ続く可能性も大有りです。みなさん期待しましょう。

 

 

・キャラクターについて

 

新海 翔

主人公。上条とCV同じやん!となったり、割と感覚が自分と似ていて初期から好感が持てる主人公だった。アーティファクトのユーザーでありながら能力が不明というのがいかにもエッチゲームの主人公っぽいなぁと思いつつもゲームを進めると力もないのに仲間の盾になったり、誰よりも傷つきながら戦ったりと完全に男らしい主人公で、嫌悪感は一切なかった。過去やったエッチゲームの主人公の中でもかなり評価は高い。また、四章にてナインの存在に気付いた時はこちら側に「相棒!」と語りかけてくれるところにキュンとするなど、どうしても好きになってしまう要素を多分に含んでいるのだ。みんなも「相棒」とか言われたら好きになっちゃうよね?

 

九條 都

パッケージヒロイン。ではあるが、固有ルートであるここいろではルート自体が短く、活躍シーンが最初の火事ぐらいしかないため、評価しづらい位置にいた。まぁその時点でも毎日食事を作ってくれたりするところはヒロインとして強力な武器になっていたが。その後重要局面で色々なものを簒奪し翔達を助けていった。

新章で発動した能力「レガリア」はオーバードライブ状態の翔の能力を全て奪い取るなど完全なチート能力となっており、今後このシリーズが続くならどうやってこれに勝てるんだろうねぇなんて思ったりもした。

エンディング後の物語では他の枝の翔の行為に対して嫉妬するなど、嫉妬深い面も見せて評価を上げていった。

 

新海 天

主人公の実妹実妹ヒロインって実は初めてじゃないかなぁ、どんな感じに恋仲になるのかなぁ、主人公めちゃくちゃ天に対して性欲なさそうだしなぁと思いながら話を進めていくと翔のストーカーであることが判明。私は一途なキャラが好きなので普段のやり取りも含めてそこで一気に好きになってしまった。

ルートの存在が消えるところは絶対にこういう展開が来ると予想できていても泣いてしまい、そういった点でもヒロイン力が非常に高かった。エッチシーンのヒロイン力は底辺だったが、プレイヤーを笑わせるのもヒロインの重要な仕事なので結局ヒロインとして完璧だったことになる。

 

香坂 春風

唯一の年上ヒロイン。普段のオドオドした人格と女王様のような人格の二つを併せ持つというキャラ。当初は魅了の能力だと思っていたため、アイマス天空橋朋花と似てるなぁなんて思いつつ見ていたが実際は想像を現実にする能力だということで目論見が外れた俺は非常に焦った。彼女個人の話としては、別人格や能力に頼らないといったようなことがテーマにもなり、各キャラの中で最も成長というものが描かれたキャラになっていたと思う。ちなみにあらゆるジャンルのアニメや漫画がイケるらしいため、ドラゴンカーセックスとかもイケるのか聞いてみたい。

 

結城 希亜

厨二病ヒロイン。四章まで出自が不明であったが、個別ルートにて妹が死んでいたことが判明し、その性格の由縁もそこからであることが判明した。その後は翔から肩の力を抜けと言われてデレデレになるが、そこが非常に可愛い。通常状態と声のトーンが全く違い別人かのように思われる。ギャップ萌えが好きな人は間違いなく好きになるであろうキャラ。あとエッチする時の声がデカいので多分淫乱だと思います。

 

ソフィーティア

淫獣枠。初対面から非常に高圧的で当初の好感度は低かったが、要所要所で見せる真摯さから徐々に好感度は上がっていった。二章終わりでは与一とつるんでいる描写があったが、このソフィはいつものソフィではないなと確信できるぐらいに二章時点での信頼感は高かった。三章終わりでは未来のソフィがこちらに話しかけてくることで、一気に好感度が上がった。好きでしょうみんな、話しかけてくれる子は。そうしてプレイヤーのアドバイザー的立ち位置でいたため、全てが終わってからも一番繋がりを感じられるキャラだったかもしれない。ちなみに俺はソフィが一番好きです。俺に話しかけてくれるキャラが好きなので。

 

深沢 与一

悪友。よくいう悪友ではなく、""悪""友。動物の死を楽しむサイコパスで、幼馴染の蓮夜に対しても一切の情が存在しない。準ラスボスとして暗躍し続けたが最終的にイーリスに身体を乗っ取られ退場。その時のイーリスの台詞からも、与一自身共感できる誰かが欲しかったと見えるが詳細は不明。生まれた時から生命の死ばかりに興味を持ち、周りと楽しみを共感できないが故に孤独だったと思うと憐みを感じるが本人は哀れんで欲しくない様子。新章では罪を償うために翔に殺されようとしたが失敗。そのまま姿を消した。サイコパスが完全に心に根付いたものであるならば改心不可能かもしれないが、もしかすると翔達と本当に仲良くなることができる枝があったのではないかと思わなくもない。

 

高峰 蓮夜

厨二病枠その二。当初は敵対組織リグ・ヴェーダのリーダーとして翔達の前に立ちはだかるがその根は善人。おそらく与一が関わらなければ人を殺すこともできなかったのであろう。こう書くと与一に対するヤンホモ感があるが(実際そうかもしれない)、味方になった時の頼もしさ、友達居ないくせに妙に高い会話力、色々合わさってとても魅力的なキャラクターに仕上がっていた。

 

成瀬 沙月

先生。幼馴染お姉ちゃん先生と書くと非常にパワーのある文字列だが、なんか微妙にヒロイン力が足りない人。可愛くはあるが途中イーリスに操られていた時のイメージとかが邪魔をするのか可愛い上位には見ることができなかった。エッチではあるけどね!

 

 

・総評

戦闘系のノベルゲームとしては演出等は控えめで、戦闘規模も小さめであったが、抑えるべきところは抑え、キャラクターも魅力的で、天ルートや希亜ルートでの泣き展開もあり、三章からはプレイヤーとして物語に参加できる気分にもなれる、非常に良いところが詰まった作品となった。特にプレイヤーとして参加できるというところは、今まではととのやドキ文などホラーなものが多かったがバトルものとして参加できるというのは珍しいのではないかと感じた。結果として物珍しさも感じることができる良作であると私は思う。

 

ここまで読んでくださった方はみんなプレイ済みだと思いますが、完全版しかやってない人はできたらそらいろのエッチシーンを見てください。本当に面白いので。以上、ありがとうございました。

抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?(ぬきたし)感想

※本文内「ぬきたし」及び、「コードギアス」「劇場版ガンダム00」ネタバレあり

 

先日、Qruppoの名作ノベルゲーム、「抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?」通称「ぬきたし」を読了したので、自分の中でまとめるために筆を執ることにした。始める前はやれ頭がおかしいゲームだの、敗戦国の末路だの散々な言われようなゲームでありながら、既プレイ者からは「熱いバトルゲー」や「泣きゲー」との評価を受けており、プレイする前から非常に気になっていたゲームで、一年ぐらい前からずっとやりたいなと思っていた。そのためちょくちょく公式動画を見てお茶を濁していたのだが、この度購入しプレイし終えた。

正直舐めてました。想像を絶するぐらい面白かったです。

 以下にキャラクターとルートの感想を記していきたいと思う。

 

 

・キャラクター

橘淳之介

主人公。NLNSのリーダーにして、誇り高き童貞。処女厨をこじらせているという事前情報があったため、普通の処女厨かと思えばそんなことはなく、幼少期に島で経験した不幸な事件から青藍島民に対して嫌悪感を抱いているというキャラクターであった。

序盤は島の条例に振り回される様子が描かれているため、女々しい主人公といった感じだが、戦う力を得てNLNSのメンバーが増えてからは、仲間を守るために自分自身の危険を顧みず特攻したりするバトルものの主人公らしいキャラとなっている。

最終決戦で使った「漢勃ち」は完全にバキのパロディであるがクソカッコいい。自らのコンプレックスをアドバンテージに変えて、その思いを全身に転化させる能力であり、思い込みの力。完全にハンターハンターエスプリトの領域である。

作中では無類の巨根扱いされてはいるが、グラフィックで見る限りでは一般的なエッチゲームの主人公のそれと大して変わらないようなイメージが見受けられる。俺も淳之介ぐらいチンコデカくなりてぇよ……

 

片桐奈々瀬

処女ビッチ。ぬきたしに興味を持った理由の二割ぐらいを占めているキャラ(声優で)。学園一のビッチという肩書を持っているが実は処女という典型的ギャップを持ったキャラ。

淳之介にとっては所謂エッチゲーム幼馴染(幼少期少しの期間過ごしただけで本当の幼馴染ではない)であり、妹の麻沙音を除けば唯一幼少期の淳之介を知っているキャラ。基本的にエッチゲームにおいてはこのタイプの幼馴染は常勝キャラとなる風潮が強いのだが、グランドルートのヒロインではないため、勝利キャラかといわれると怪しいと言わざるを得ない。しかし、桐香からは正妻と言われていたり、ラジオでも声優本人から正妻と言われてるので、ルート如何は抜きにして最も正妻感が強いキャラクターではある。

淳之介との相性が非常によく、淳之介と麻沙音が二人でようやく一人前になる兄妹だとするならば、淳之介と奈々瀬は翔太郎とフィリップのような、二人で何倍もの力を発揮する相棒。そういう点でも淳之介の隣に立っているのは奈々瀬が相応しいか。

家事も料理も完璧であり、結婚するなら奈々瀬か文乃。

 

渡会ヒナミ

聖母。見た目はロリだが年齢はNLNSの中でも最年長。最年長に相応しい包容力を持っており、誰のどんな行動も許容し称賛する。誰かが何かを抱え込んでいる時はいち早くそれを察する洞察力も兼ね備えており、その洞察力は自分自身の気持ちにすら気付かなかった桐香の気持ちすら言い当てる程。完全にNLNSのママである。

礼とは昔からの付き合いであり、一番仲の良い友達。マジで礼ヒナ尊い……尊いです……

冷静に考えて子供用のバイブが入らないヒナミが郁子も気絶させるような淳之介のチンコが入るのおかしくね?

 

畔美岬

狂人。アナルにフィギュアを入れたり喋っている時に急にオナニーをし出す女。とは言え、頭が狂っていること以外は文学少女、巨乳、清楚系など作中でも言及されていたが所謂「童貞が好きそうなキャラクター」なので、当然ながら俺も好きになってしまう。むしろ頭のおかしいところもいいアクセントになり、余計好きになってしまう。デブを気にしている設定であるが先日漫画で判明した体重は60kg。俺のほうがデブだという事実に完全に心が折れてしまった。

作中では序盤は清楚キャラや地味キャラ要素が前面に押し出されているが、ストーリーが進むにつれて狂人要素が押し出されてくるので序盤と終盤で扱いが最も変わるキャラかも知れない。

また、アナルバイブ付き自転車から戦闘機まで乗り物ならなんでも乗りこなすという才能を有しており、デブではあるが機動力は随一。Fateとかに出てきたら間違いなくライダーである。

 

琴寄文乃

忠犬。物語のキーパーソンでありグランドルートのヒロイン。県知事の隠し子でNLNS最年少。母一人に育てられ、使用人としての技術を全て教え込まれており家事に関わることならなんでもできる。一家に一文乃欲しい。親から授かった豊玉の加護により視力と洞察力が抜群に良い。

中学生でありながらSSやSHOやヤクザと定期的に交戦しており常に命の危険が伴う女。そのせいで文乃ルートではパンチドランカー状態になり一時的に記憶障害やバランス障害に陥る。淳之介はそれが判明する直前首絞めプレイとかしてたのでそんなことするなよ……って思ってしまった。

そんな彼女であるが母親からの教育の賜物により、誰も憎まずの精神を体現しており、島の全てを愛している。彼女がいなければ共存の道は開けなかったであろう。

 

橘麻沙音

妹。淳之介がいなければ生活できないが淳之介もまた彼女がいなければ生活できない。趣味がネット炎上を見たりゲームで外人を煽ったりと畜生キャラではあるが、仲間が危機になると、それが普段暴言を吐きまくっている美岬や文乃でもすぐに泣く他人思いの性格でもある。百合の文脈に沿えばみさアサは強い百合である。間違いなく百合。

同性愛者という設定だが、兄は例外らしいので実質両性愛者であるだろうが、あまりにも特殊すぎるので性癖に分類されるのかも知れない。

ぬきたしグッズの中で唯一の抱き枕カバーがアサちゃんなのおかしくないですか?

 

冷泉院桐香

生徒会長。一年生ながら生徒会長であり学内随一のカリスマを持つという天才系キャラ。しかし、他人の心がわからないという欠陥を持つ。粘膜接触をすると他人の記憶と現在の感情を読み取ることができるが、あくまで現在の感情であり、継続して対象の気持ちを把握することは困難。わからないのは他人の気持ちではなく、自分の気持ちもそうであり、淳之介に出会うまでは欲しいものが一切なかったらしい。そんな彼女が唯一欲したのが淳之介という、正に敵らしいヒロイン。

 

糺川礼

風紀委員長。序盤から非性産者をギロチン系にかけたり、スパルタ指導をしたりと厳しい系のキャラクターだったのだが、ヒナミルートにおいてそれは弱い自分を隠すためのペルソナと判明。したくないセックスを繰り返し、いつか青藍島を変えられるかもしれないと風紀委員長になったが、もうその情熱は折れてしまっていた。小学生時代からセックスをさせられており、セックスに嫌悪感を持っていたためクラスに馴染めず一人ぼっちだった彼女に手を差し伸べたのがヒナミであった。そうして二人は親友となるのだがヒナミ→礼は親友といった感情であるだろうが、礼→ヒナミはいわゆる巨大感情を持っており、やはり礼ヒナ尊いとなる。

環境では文乃や桐香や郁子も凄惨だが、メンタルが3人とも強いので、メンタルが弱い礼が特に可哀想に見える現象。共存の道を選べたグランドルート後では見違えたほど快活になったらしいのでぬきたしで一番救われた人物の一人かも知れない。

 

女部田郁子

特攻隊長。戦闘狂かつセックス狂というぬきたしという作品を体現したかのようなキャラ。淳之介のチンコに惚れ淳之介のことをダーリンと言い、言い寄ってくる。そんな彼女もSSらしく実家が道場で半分虐待のような稽古を受けていた家庭環境で、これ以上実家に居られないとSSに来た過去を持つ。美岬ルートでは手嶋に乗っ取られたSSから追い出され、淳之介達と行動するが、初めてそこで常識人らしい振る舞いを行う。

声に催淫効果があるらしく、セックスもめっちゃ上手いらしいので、セックスするなら郁子とやってみたい。

自分が女部田郁子っていう名前で生まれてたら絶対にグレているし、改名すると思う。本当に青藍島で良かった。

 

 

・各ルート

奈々瀬ルート

サブヒロインは桐香。序盤から桐香によるアプローチが激しく、それをどう凌いで文乃を手に入れるかという話になって行く。最初にプレイされるのが推奨されるだけあり、作品の表層をなぞったような話になっており、ヤクザや裏風俗などの深い話はあまりしない。その代わり淳之介の過去にスポットがあたっており、虐められていた過去、その時出会った奈々瀬との関係が語られる。淳之介と奈々瀬の関係性に関しては非常に良いが、良くも悪くもルートとしては平凡。SHOやSSも解散され、路頭に迷う人も多く出、文乃も救われないというある意味バッドエンド。

 

ヒナミルート

サブヒロインは礼。淳之介がスパイとしてSSに入り込み、礼のバディとなり事件を解決していくが、SSを裏切ったその瞬間を礼に見られ……というお話。お堅い風紀委員長が実は整理整頓が苦手であったり、ライダーオタク(初めて見る淳之介にアマゾンズの二期後半から見せるような変なライダーオタク)であったりと意外な一面が判明していくのだが、最終的に礼は望んでこの島に来たわけではなく、奨学金がもらえるから仕方なくSSの仕事に従事しているということが判明する。家庭崩壊した結果、家族を食べさせるために望んでもいない性行為を嫌々やっていかなければならないという重さはぬきたしでも随一。

そしてその礼と淳之介の戦闘にヒナミが乱入するのだが、「今まで非性産者を散々苦しめた自分に帰る場所なんてない」と言う礼に対し「ここが礼ちゃんの帰ってくる場所だよ」と肌身離さず持ち歩いていたパイプ椅子を開く。そうして敵対していた礼とヒナミが和解するのであるが、ここが泣ける。ぬきたしで一番泣いた。本当に礼ヒナ尊い

そのまま県知事をぶっ飛ばし条例を撤廃させたが、奈々瀬ルートとは異なり便宜を取り計らってくれたおかげでSSは存続することとなった。

3つのルートの中ではヒナミと礼の関係を含めた「泣きゲー」感が最も強い。伏線の貼り方も非常に上手くグランドルートを除けば完成度が一番高い。

 

美岬ルート

サブヒロインは郁子。三つのルートの中では一番頭のおかしいルートで、プレイする前のぬきたしのイメージに最も近かった。全ルートの中で最も早く恋人同士になるため、イチャイチャしてるシーンが非常に多い。というかそのイチャイチャが最終的に能力にまで登り詰めるのだから本当に頭がおかしい。中でも美岬が「無免許運転マンだああああ!」と叫びながらマジカルミラー号でSHO本部のガラスをブチ破り突入してくるシーンでOP曲が流れた時は「あぁ、こういう使い方するんだ、合ってるな……」と思った。ヒナミルートではチョイ役であった手嶋がラスボスであり、人を洗脳するばかりで愛を知らぬ手嶋に対し、淳之介と美岬の愛で全てを破壊するという展開はある種爽快感のあるものだった。ここでも条例は撤廃されるがSSは存続する。

 

文乃ルート

グランドルート。序盤から正体を隠した文乃とバディを組み島の治安を守るお話。正体が判明した文乃は、奈々瀬ルートと同じく防人老人の元に送り出されるが、そこで世間から青藍島叩きの顔として使われてしまった状況を淳之介達が見たことで、文乃を奪還しに本島へ向かう。文乃奪還後はドスケベ条例を完全に破壊する為に動く防人老人VS共存の道を示したいNLNSとの勝負となるのだが、ここが非常に熱い。今まで敵だった手嶋を師匠とし、SSやSHOも味方として共闘する。最終的に防人と仁浦を打ち倒し共存の道を勝ち取るのだが、その時明暗を分けたのが頼れる仲間がいるか否かというのも、ぬきたしの大きなテーマの一つになっているだろう。結果的に青藍島は差別問題などにも目を向けるようになり、日本の中でも社会的に一歩進んだ島となる。この作品の中で一番のハッピーエンドである。

 

 

 

 ・作品のテーマ

普段生きていてはそうそう見ない強烈な下ネタや、絶対他所から怒られそうなパロネタのオンパレードで外から見た分には分かりにくくなっているが、この作品のテーマは、「共存」と「相互理解」である。このテーマを扱うにあたって、また、作中におけるキャラクターの行動から比較する作品が二つ存在する。「コードギアス 反逆のルルーシュ」と「劇場版機動戦士ガンダム00 A wakening of the Trailblazer」である。どちらもロボットアニメであるが、テーマとするところは近いものがある。

コードギアスにおいて、社会的弱者の日本人がイレブンと呼ばれ迫害を受けているように、ぬきたしにおいても淳之介達のような反交尾勢力は島の中で迫害を受ける。それに対しレジスタンス行動を行うところまで一致している。ルルーシュは最終的に自らに悪意を集中させ死んでみせることで民を一つにすることに成功したが、淳之介は文乃と協力し国民の同情を得ることで青藍島に対する悪意を消失させた。また、「王の力は人を孤独にする」というギアスの言葉があるが、ぬきたしにおいても洗脳能力を持った手嶋は、美岬ルートにおいて最後まで満足することなく舞台を去った。淳之介曰く、手嶋に必要だったのは理解者であり、力でもなんでもないということである。手嶋が最後に言った、「正体を隠していた時の淳之介との会話は悪くなかった」という台詞は本心であると想像でき、やはり手嶋に必要だったのは手駒ではなく友人や恋人のような理解者であったのであろう。

劇場版ガンダム00に関してはもっとわかりやすく、共存と相互理解というテーマがそのまま降りてくる。刹那達はELSのような文化も言葉も、生態系すら異なる存在と、クアンタムバーストを用いて心を繋げることで互いの思いを理解し、戦争せず共存の道を選ぶことに成功した。ぬきたしにはクアンタムバーストのような都合の良い能力はなく(桐香の粘膜接触した相手の心を読む能力や、文乃の目で見た相手が真実を言っているかどうかを判断する能力は存在するが、それだけでは一方通行)、ELSのように生態系こそ異なるわけではないが、青藍島民と本島民という文化の隔たりがある人間をお互いに理解させる必要があった。ぬきたしでは、文乃のスピーチによって、セックスを望む者も望まない者も、お互いが尊重されるべきであると説き、最終的には新条例によって共存することができた。ここで必要であったのは相手を理解する、理解できなくても許容しようとする努力であり、お互いにそれを怠るが故に争いや迫害は起こるのである。

最終的にセックスを望む者と、セックスを望まない者が共存できるようになったことにより、青藍島はディストピアではなく本当のユートピアになった。すぐに意識を変えることはできないだろう。が、青藍島民はみんな相互理解の努力を行なっているはずである。インターネット民の我々も、そんな相互理解の努力を怠らないようにしなければいけないのではないだろうか。

 

 

・総評

バカゲーの皮を被ったバカゲー、であると同時に燃えゲーであり泣きゲー。ギャグとバトルと感動要素が奇跡のバランスで成り立っており、そのどれもが一級品という正に最高クラスのエッチゲームであった。キャラクターもみんな魅力的で、ギャグも今までやってきた中でもトップクラスに面白い(パロディが多いため、知らない人にはわかりにくい部分があるかもしれない。実際、俺は半分も理解できていない)

 

 まぁここまで読んだ人は既プレイヤーだろうが、もしやってない方がいるなら是非プレイして頂きたい。

 

 

 

僕たちは自由だ。【劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer 感想】

※劇場版ジオウネタバレ注意

 

先日、仮面ライダージオウの劇場版である『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』が上映された。平成ライダー二十周年記念作であり、平成最後の仮面ライダーでもあるジオウの劇場版ということで、盛り上がりも最高潮。サプライズゲストや特別演出を求めて右も左も大熱狂。普段ライダー映画見ない人もこぞって見に行く。それぐらいの熱量を少なくとも僕のTLは持っていた。

 

僕が見に行ったのは翌日の土曜日、「ジオウの映画はヤバい」という空気が流れ始めたあたりのことであった。正直に言うと、サプライズゲストは竹内涼真倉田てつをあたりだと思っていた。前回の平ジェネFOREVERの流れを汲み、メインとして扱われるドライブ編の主人公か、ボスキャラバールクスのオリジナルかの二択ぐらいしか思い浮かばなかったのだ。

しかし、実際はそんな安直なゲストではなかった。サプライズゲストの正体は木梨憲武仮面ノリダー木梨猛。ツイッターやスレなどで定期的に話題になる為、知ってはいたが見たことのないある意味レジェンド的存在である。彼の登場と同時に、それまで静かだった館内は爆笑の渦に包まれた。噂だけしか知らなかったわけだが、いかに人気なのかということを思い知った。常盤SOUGO/仮面ライダーバールクスの登場から流れが変わったがあそこで完全に切り替わったと言っても過言ではないだろう。

そこからはクライマックスへ向けて直行、何が何かもわからぬまま物語は終幕するわけだが、平常な気持ちで映画を見終わった人はほとんどいないのではないだろうか?肯定的であれ否定的であれ、なんらかの強い感情を抱いたはずだと思うのだ。

実際のところ、僕がこの映画を見終わって最初に抱いた感想は「やりたい放題しすぎやろ、頭おかしいんちゃうか?」である。

 

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ぼくの視聴後の検索履歴。

 

そしてあまりにもやりたい放題の映画であった為、映画に否定的な人間もいて当然だろうと感じた。なんならSOUGOのように、「醜くないか?」と感じる人間も少なからずいたと思う。

ハチャメチャで春映画を煮詰めたような内容、嫌いになる人がいない方がおかしい。しかし、それでも僕はこの作品を綺麗だと思ってしまったのだ。

というのも、ジオウの映画としての前作品である平成ジェネレーションズFOREVERとどうしても繋げて見てしまうからだ。

平成ジェネレーションズFOREVERの中で語られた「僕たちが信じる限り、仮面ライダーはそこにいる」というテーマ。FOREVERで強く印象付けられたこのテーマはジオウが終わろうとしている今となっても強く残り続け、Over Quartzerの中でも生き続けた。それによってOver Quartzer終盤で登場した仮面ライダーGや漫画版クウガといった多様さは、FOREVERのテーマを孕んだことによって更に翼を広げたように感じた。僕らの中に存在する仮面ライダーの可能性は無限大なのだと。むしろ僕らの信じるものが仮面ライダーなのだと。平成ライダーが、仮面ライダーが自由であるということは、僕たちが自由であるということなのだと。

つまり何が言いたいのかと言うと、僕らも仮面ライダーを好き勝手考えていいんじゃないかなぁと思ったのである。

最終的にこういうことを考えさせられる、とても作品外影響の強い映画だった。今日も僕らの仮面ライダーはどこかで戦い続けていることだろう。みんないつまでも仮面ライダーを好きでいようね

 

おわり

キンプリSSSⅣ章・シャインについて(ネタバレ有)

「KING OF PRISM Shiny Seven Stars 第Ⅳ章 ルヰ×シン×Unknown」が公開されてしばらく経ちました。アニメも大好評放送中で、キンプリは益々勢いに乗っています。

 

Ⅳ章を見たSSSからの方はこう思ったでしょう「なにを見せられとるんや」と。私もレインボーライブからの人間ですが、半分ぐらい「なんやこれは」となりました。

今回はプリズムショー回に強烈なインパクトを与えたキンプリⅣ章、特にシャインについてお話していきたいと思います。

 

(あくまで個人の感想・怪文書に過ぎないので、そこはご容赦ください)

 

・シャインについて

以前から存在を仄めかされていたり、ルヰくんの回想でチラッと映っていたシャインさん、今回が実質初登場となったわけですが、宿主であるシンの身体を乗っ取ったまま衝撃のプリズムショー初披露となりました。

シャイン(シン)のプリズムショーの感想として、よく見られるものが「怖い」というものです。上から血のような赤い汁が垂れ流し、背後には張り付いたようなシャインの笑顔が浮かび上がっており、全体的にダークな雰囲気に仕上がっていました。披露曲プラトニックソード」も今までのシンの曲とは打って変わって暗く力強い楽曲でした。

 

・何故シャインのショーはあんなショーだったのか

ここで疑問に上がってくるのが、何故シャインのショーは観客に恐怖を覚えさせ、得点が0カラットという低評価であったのか、ということです。プリズムショーのレベルとしては決して低いわけではなく、七連続ジャンプとはまた違う、七つの異なるプリズムジャンプを全て同時に跳ぶという燕返しみたいなシリーズ初めての技も披露しました。中にはオーロラライジング系列の非常に難易度が高いジャンプも含まれており、技術的にはプリズムワン参加者の誰よりも点数は高くて妥当なはずです。

その理由を天羽ジュネは「冷たく、ぬくもりが感じられない」と評しています。故に観客は怯え、誰一人ときめかず、プリズムシステムを使った採点方法では0カラットという過去最低の数字(アレクの会場破壊によるマイナス評価は除く)になりました。

しかし、本来であればシャインはプリズムの使者としてあの世界に送り込まれた存在であり、記録としては残っていないながらも響ワタルとして活躍をしていたプリズムスタァでした。「プリズムの煌めきを広めたい」と思っているシャインが他人を恐怖させるためにプリズムショーを踊っているわけがありません。では何故シャインのショーが「冷たい」のかというお話をしたいと思います。

 

・シャインの「独善的な博愛」

シャインはプリズムの使者であり、回想では「僕はもっとこの世界にプリズムの煌めきを広めたいだけなんだ」と言っていました。そして、作中で何度も「愛してあげる」と口にしていました。しかしそんな彼の思いが観客に届くことはありませんでした。

何故なら彼の愛は、プリズムワールドの神であるGOD(プリズムゼーレ)にプログラムとして与えられた、機械的かつ使命的な愛だからです。互いに心と通った愛情ではなく、一方的に与える愛であるが故に他人の気持ちを考えず、ただ「全人類を愛するだけの愛」となっていたわけです。故にシャインは、プリズムショーが終わった後に「僕が一番みんなを愛することが出来る」とアムロみたいなヒロみたいなよくわからないことを言っていたのです。しかし、観客からしてみればそんなシャインの独善的な博愛は

他のプリズムスタァの情熱がこもった感情と比べると、冷たく怖く感じられてしまったのです。

 

・世界(観客)の進歩

というわけで、観客からは「怖い」と言われ、ジュネからは「冷たくぬくもりが感じられない」と言われ、脅威の0カラットを叩き出したシャインですが、実は私はこのシャインのショーが前回までの大会と同じく、お偉いさんによる採点式であった場合、10000カラットのフルマークであったと考えています。理由は、過去の審査員の多くはプリズムショーに疎く、プリズムショーによって形作られる愛情というものを感じ取る力が弱かったと思うからです。

つまり、知識や感性が鍛えられていない人にはシャインのショーは輝いて見えるということです。それでなければ、山田さんが幼少期の憧れのプリズムスタァとして挙げたり、りんねが言ったような「全ての人を魅了する」恐れがあるとは思えないのです。

ハッピーレインが、ベルローズが、オバレが、シン達が、多くの本物の愛情を持ったプリズムスタァがたくさんプリズムショーを行ってきたことで、あの世界の人々は「煌めきの感性」が鍛えられ、シャインのショーに対する耐性を得ることが出来たのでしょう。そうでなかった場合きっと多くの人にとって、流れる血液は照らす陽光に、張り付いた笑みは輝く太陽に見えたことでしょう。(山田さんもシンのジャンプを生き写しと言っていたことからもそう思われる)

 

 

というわけでシャインに関する一通りの私の考えは以上となります。見てくださった方はこのような怪文書にお付き合いくださり本当にありがとうございました。ここからは適当に適当な事を書いていきます。適当なので見てくださる方は適当にお付き合いください。

 

 

EX. シャインの跳んだプリズムジャンプについて

 

今回シャインが跳んだ七つのプリズムジャンプは以下の通り

 

1.シャイニング無限ハグ

2.ヘヴンリーキッス

3.ひらひら開く愛の花

4.アンリミテッドラブシャワー

5.デンジャラスベイビーフェイス

6.マナザシ

7.オーロラライジングミラージュ

 

5と6はシャインの人間としての名前であった響ワタルの元ネタであるcallingsのワタルとショウが跳んだジャンプ。M型スタァの理想的存在であるアピールとして跳んだとも考えられる。1と2と4はMARsが跳んだジャンプの亜種(アンリミテッドラブシャワーのみそのまま)。3つともあいらが洗脳されていた時に初披露したQue seraの中で跳んだジャンプである為、敵キャラであることのイメージか。3はメジャーなジャンプ「ひらひら開く恋の花」の亜種、「愛」は先程言ったようにシャインのテーマの一つ。

そして最後、7のオーロラライジングミラージュであるが、今までプリズムヤクザの中ではプリズムの使者ではオーロラライジングまでしか跳ぶことは出来ず、オーロラライジングの上位種は人間にのみ跳ぶことの出来るジャンプであると言われていた。今回シャインが跳んだのは「オーロラライジングミラージュ」。ミラージュとは「蜃気楼」「儚い夢」の意味合いを持つ。即ち、春音あいらの跳んだ伝説のジャンプ「オーロラライジングドリーム」に対する影のプリズムジャンプではないか、ということも考えられる。

 

 

以下、話は変わりますが純粋なⅣ章の魂の感想です

 

・ルヰくん、一途な女の子〜〜〜!って感じでドチャクソ可愛い。遊園地でウキウキになるのとか感情モロ出しすぎてこっちまで笑顔になっちゃう

・ルヰのショー、前回みたいな神々しい感じで来るのかと思ったら恋する女の子でめっちゃビビりました

りんねちゃんとシャインのキス、エッチすぎて「エッチだ……」って呟きそうになりませんでした?

・シャインのショーめちゃくちゃ良くないですか?普通にカッコいいし、七並行ジャンプでヒーロー映画見てる幼稚園児みたいな顔つきになりましたね。

・「オーバードーズを起こすぞ!」って台詞めっちゃカッコよくなかったですか?

・シンVSシャインの構図を考えた時、「over the sunshine」っていう歌のタイトルがとても熱くなる

・プリズムゼーレくん、いい加減にして欲しい

 

 

今回は以上となります。また機会がありましたら次回の怪文書でお付き合いください。

 

誤字脱字、質問等があればツイッターアカウント@mizun1221 までよろしくお願いします